射手座の新月図｜2022年11月24日7時57分（東京）

新月図外観

新月の星読み| 射手座の新月図リーディング

サビアンシンボル研究の専門家すずきふみよしは，
サビアンシンボル中興の祖デイン・ルディアにならって月相を次のように捉えています。
新月～満月：新月にエネルギーが放出され具体的な形態をとるプロセス
満月～次新月：エネルギーが意識レベルに集中し精神的な形態を生産するプロセス
上弦および下弦はそれぞれにおけるサブサイクルとしてプロセスに影響を与えます。

青文字は占星術用語で、占星術に詳しい方・勉強中の方向けの情報です。
占星術に詳しくない方は、解釈文だけお読みください。

新月（11月24日）から上弦（11月30日）までのテーマ
湧き出るエネルギーをコントロールできるか否か。世のため人のためと割り切って。

 新月が形成される射手座2度のサビアンシンボル（ルディア版，以下同）

射手座2度
白波が海上の風の力を示している
White-capped waves display the power of wind over sea.
キーノート：超人格的な動機の抑圧下の無意識のエネルギーの動員

射手座2度のサビアンシンボルの実存的意味合い

海と風とはつねに自然の相互作用のなかにあり，その結果として波が生じています。古来よりシンボリズムにおいて風はスピリチュアルなダイナミズムを表しています。ギリシャ哲学において存在の原理を意味するプネウマ pneuma は，古代ギリシア語では風を意味していました。海はおおよその場合において無意識の象徴です。したがってこのサビアンシンボルの実存的な意味合いはスピリチュアルな力の鼓舞を受けて無意識のエネルギーが刺激され湧き出ることです。そしてそれは地球の，宇宙のリズムに同期しており，抗い難いものとして生じています。

射手座2度のサビアンシンボルの元型的意味合い

先行のシンボルは射手座1度「退役した陸軍軍人たちが古い記憶を呼び起こすために集会する」です。集会自体は未来志向であしたをつくろうとするものですが，集まったこの人たちには戦争に加担したという過去があります。すなわち戦争という人類の文明の負の部分に対するアンチテーゼとしての自然／地球／宇宙の力が提示されているというのがこの射手座2度の元型的な意味合いになります。

射手座2度のキーワードと現れ方

キーワードとしてIRREPRESSIBILITY（抑えられない元気，意気軒昂さ）が与えられています。抗い難いエネルギーの湧出を端的に言い表しています。しかしただ単に湧き出るがままにしておくのではなく「人格的なエネルギーの発露にチャネリングすることの必要」をジョーンズは述べています。コントロールして使うことが大切です。

ポジティブな発現は「日常生活の諸問題における不屈の機知の豊かさと素朴な喜び」です。湧き出るエネルギーをうまくコントロールすればそれは豊かな機知となって生きていくうえで役に立つことでしょう。また見るもの聞くもの触れるものすべてに喜びを見出すこともできるでしょう。

ネガティブな発現は「的外れな怒りやすさおよび神経質な自己消耗」です。これはコントロールがうまくできないことに起因するものでしょう。行き場を失ったエネルギーはそれ自体ですり減っていくしかありません。

太陽と月がこの同じ度数にあるということで，ソーシャルでもプライベートでも上記の内容が非常に強化されます。

アスペクト，ディスポジター，その他注目すべき点

この新月（12室射手座）がベスタ（2室魚座）とスクエア。そして2室は水瓶座インターセプトです。

上述のとおり，湧き出るエネルギーをコントロールできるか否かがこの新月のテーマの分かれ目になりますが，自分の意志でそうするというよりはなにかのため・だれかのために仕方なしにそうせざるを得なくなってくる模様です。そしてそれが結果的に自分のためになるのかと言えば，その見込みも薄いようです。ここはもうエネルギーを自己資本として回収しようとせず，世のため人のためそうしているのだぐらいに割り切ってしまったほうがよいのかも知れません。その心意気すら他人には見えにくく，報われない感は強まるでしょうが，ここは正念場です。

ASC-DSC軸に加え火星（7室双子座）－海王星（3室魚座）－セレス（9室乙女座）でグランドクロスです。さらにASC-DSCに土星が調停のアスペクトをとっています。

湧き出るエネルギーがいいようによそへもっていかれる一方で，自己主張は活発になります。創造的なひらめきを得てそれを発表し反応を見たくなるでしょうが，単に消費されて終わることのないようにしっかり育てていくことが大切です。反応が欲しい気持ちはチラ見せ程度で満たすことにして，重要なものはキープしておきましょう。自律的なコントロールはその面で活かすのが吉です。

MCにリリス（7室蟹座）がスクエア。さらに水星（12室射手座）とジュノー（3室魚座）がスクエア。加えてジュノーにキロン（4室牡羊座）が30度，さらにキロンにはドラゴンヘッド（5室牡牛）／テイル（11室蠍）が30度／150度です。

それでも我慢できないほどの自己顕示欲が噴出するおそれがあります。SNSの利用には注意したいところです。投稿に公開制限をかけるよりは，信頼できる人との一対一の関係のなかでこっそりと打ち明けるのがよいでしょう。それがその相手との関係をよりいっそう深めることにもつながるでしょう。なんなら世間を敵に回すぐらいの気持ちでOKですが，よくないことをしているという背徳感も同時につきまといます。しかし心の憂さの捨てどころとしてはそのくらいしかないのかも知れません。

冥王星（2室山羊座）とパラス（8室蟹座）のオポジション。

自己主張や自己顕示欲の一方で，なにもかもをぶち壊しにしたくなるような衝動が湧き起こる可能性があります。既得権益への不満が高まり，その是正を求める気持ちが強まったり，またその表明が理想の追求として正当化される時期であると言えます。社会状況に鑑みてその下地はじゅうぶんにあるわけですが，今回の新月においてはこうした衝動の緊張の強度がピークに達するでしょう。国際情勢においても慎重な注視が必要です。

上弦の星読み｜魚座の上弦図リーディング

魚座の上弦図（2022年11月30日23時36分：東京）

上弦（11月30日）から満月（12月8日）までのテーマ
承認欲求に落とし前をつける時期。自分を一番いたわることができるのは自分。

上弦では，太陽（3室射手座9度）に月（6室魚座9度）のスクエアが形成されます。

射手座9度
母親が小さな子どもの手を引いて急な階段を一歩ずつ上る
A mother leads her small child step by step up a steep stairway.
キーノート：どんな社会的状況においても，社会がその構成員に解決を要求するような問題の扱いについて，進歩していない者を支援する必要

魚座9度
競争相手を引き離そうと夢中になって，騎手が馬を駆り立てる
A jockey spurs his horse, intent on outdistancing his rivals.
キーノート：競争心に影響されたあらゆる社会的成果における成功への衝動での活力と技能の強烈な動員

上弦の月（11月30日）を境に少し潮目が変わります。

ソーシャルな立場では他人に対して養育的な態度が求められるのに対し，プライベートでは他人を蹴落としてでも抜きん出たいという強い気持ちが生じ，内面に軋轢が生まれます。新月の際の湧き出るエネルギーをうまくコントロールして使えたかどうかにかかわらずこうした葛藤が生じることになりますが，自己主張や自己顕示欲を適当に解放できなかった場合にはよりいっそう強度の高い葛藤となるでしょう。

水星と金星（4室射手座）に対して火星（10室双子座）がオポジション，そこに土星（6室水瓶座）が調停のアスペクト。

自己主張や自己顕示欲はますます輪をかけて強まり攻撃的な側面さえ帯びてきます。それによって自分が大切にしているものを犠牲にしてしまったり，自分でもおもっていなかったようなことを言ってしまったりという舌禍が生じるおそれがあります。また世の中や社会に訴えかけることは必要ですが，それも粘り強いアプローチでいきましょう。慎みをもって，また自分の責務は果たしたうえで交渉することが大事です。

上弦＝太陽と月のスクエアはMCも巻き込んでＴスクエア。また上弦に対しバーテックス（5室水瓶座）が30度／60度，Ｔスクエアに調停のアスペクト。

やはり葛藤のなかにあってもまず責務を果たすことが鍵となりますが，友だちのネットワークからヒントを得ることができるでしょう。しばらく会っていない人と旧交を温めるなどして現状についての相談をしてみるのも打開策の1つになり得ます。堅苦しく深刻なやりとりをするよりは，カジュアルに飲みに行くなどしてみたほうがうまく進むでしょう。自分がなにをすべきなのかが見えてくるはずです。

DSCにジュノー（7室魚座），キロン（8室牡羊座）と30度，したがってキロンはASCと150度。

相談事はなしにしても対人関係には実りがある時期です。単なるストレス発散として人と関わりをもつことはまったくOKです。パートナーのいる人はなによりもだれよりもそちらとの関係を密にしてみてください。そこからクリエイティブなエネルギーが導かれます。

引き続き冥王星（5室山羊座）とパラス（11室蟹座）のオポジション。そこにリリス（10室双子座）が150度／30度。

対人関係に実りがある時期ですが，性的な方向に発展する可能性もあります。なにもかもぶち壊しにして現状を打開したいという衝動と癒やされたい気持ちとがないまぜになり，自分の話を聞いてくれる人につい身も心も開いてしまうという展開もなきにしもあらずです。明らかに錯覚で勘違いなのですが，仕方ないことかも知れません。悪事千里のごとく目立ってしまうリスクもありますが，それも承知のうえで。

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次回、12月8日の満月リーディングは、満月形成時に公開します。
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執筆者　【すずきふみよし プロフィール】

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