魚座の満月リーディング|2022年9月10日 by すずきふみよし
魚座の満月ホロスコープ|2022年9月10日18時59分(東京)
満月図概観
⇒クリックして天体配置の詳細を読む(占星術に詳しい方向け)
満月=太陽と月のオポジションです。太陽は6室乙女,月は12室魚に。天王星(牡牛19度)がこの満月のオポジションに対し調停のアスペクトをとっています。
アセンダントは牡羊でカイロンが近くにあります。牡羊のルーラー火星は2室双子に。この火星はいわゆるノーアスペクトの状態ですが,マイナーアスペクトとして冥王星(10室山羊)とセスキコードレート(135度)です。
ディスポジターを見ると,ドミサイルである12室魚海王星に対し同じく12室魚の月がつながり短絡に完結。その他の天体は3つのルートから水星(6室天秤)と金星(6室乙女)のミューチャルレセプションに流れ込んでいます。満月のオポジションがある6室-12室はたいへん大きく乙女および魚のほとんどの領域を取り込んでおり,その6室-12室のなかにディスポジターの根をもっている――つまりこの2つのハウスのテーマが非常に強化されているのが際立って見えます。
その他特徴的な配置として
- 金星と木星のクインカンクス,木星とバーテックスのオポジション,そのオポジションをリリスが調停,したがって金星・リリス・バーテックスで小三角
- MCに水星がスクエア
- 土星・天王星・セレスのTスクエア(上弦図に引き続き)
- ノード軸にジュノーが調停(同上)
- 金星・火星を除いてすべて逆行
などがあります。
満月の星読み|魚座の満月図リーディング
サビアンシンボル研究の専門家すずきふみよしは,
サビアンシンボル中興の祖デイン・ルディアにならって月相を次のように捉えています。
新月~満月:新月にエネルギーが放出され具体的な形態をとるプロセス
満月~次新月:エネルギーが意識レベルに集中し精神的な形態を生産するプロセス
上弦および下弦はそれぞれにおけるサブサイクルとしてプロセスに影響を与えます。
青文字は占星術用語で,占星術に詳しい方・勉強中の方向けの情報です。
占星術に詳しくない方は解釈文だけお読みください。
なお、サビアンシンボルはルディアにならい,以下の2つの側面から解釈しています。
実存的:字面どおりに読んでよい部分。
元型的:字面以外の意味を抽出しないといけない部分。
満月(9月10日)から下弦(9月18日)までのテーマ
見通しを立てたいものの, くすぶる自己顕示欲。ビジョンの修正を。
満月を形成する, 乙女座18度の太陽と魚座18度の月のサビアンシンボルを解説します
太陽のサビアンシンボル (ルディア版,以下同)
乙女座18度のサビアンシンボル
ウィジャ盤
A ouija board.
キーノート:無意識の精神の深い休暇に接触する能力と心霊的な暗示や前兆に対する敏感さ
乙女座18度の実存的な意味
ウィジャ盤は日本では「西洋版こっくりさん」とも言われ,アルファベットや数字を記したハート型の板(ブランシェット)の上で任意の文字列を見出して占いに用いるという道具です。このサビアンシンボルの字面どおりの意味(実存的な意味)としては占いへの非常に高い親和性があり,これを出生図のアセンダントにもっていて天才的なひらめきを示す占い師を私は知っています。
乙女座18度の元型的な意味
先行の乙女17度は「火山噴火」で「長期にわたって抑制された無意識の内容物の爆発的なエネルギー」を表します。この放出を経て無意識はキーノートにあるように深い休暇に至り,その一方で心霊的な暗示や前兆に対し敏感になっていくというわけです。これがこのサビアンシンボルの元型的な意味です。
乙女座18度のキーワード
キーワードとして“ACUMEN(洞察力,慧眼)”が与えられています。精神的な爆発を経て落ち着きを得て,そこで深い洞察に至るのです。逆を言えば心の平穏を求めるべく先のことをじっくりと見据えてかんがえておきたい時期だと言えます。
ポジティブな発現は「日常の洞察や暗示を活用することにおける器用さ」で,見出した洞察はとても上手に実生活に活かすことができるでしょう。
ただしネガティブな発現は「迷信への囚われおよび未知のものへの降伏」です。見出したものを過信したり,わるい予感がしたからと言って悲嘆に暮れることのないように注意したいところです。
月のサビアンシンボル
魚座18度のサビアンシンボル
巨大なテントのなかで,村人たちが見事な演技を目の当たりにする
In a gigantic tent, villagers witness a spectacular performance.
キーノート:技能および/あるいは雄弁術のよく演出された刺激的な発揮という集団的アピール
魚座18度の実存的な意味
壮大なスペクタクルを感じさせる詩文ですが,ジョーンズは「自分の体験を着実にかつ全体的に見ることができるような完全性のシンボル」と述べています。つまり上演されている見事な演技は,それを見ることで自分の客観視につながるものなのです。手に汗握るパフォーマンスに熱狂することで日常生活のルーティーンをひととき忘れる,そして自己を相対化していく,というのがこのサビアンシンボルの実存的な意味です。
魚座18度の元型的な意味
ゾディアック360度を5度ずつのまとまり(シーケンス)に区切っていくと,魚18度は70番目の5度シーケンスの第3ステージとなります。魚16度「書斎の静寂のなかでクリエイティブな個人がインスピレーションの流入を経験する」の個人性と,魚17度「復活祭のパレード」に見られる集団性が統合され,“公的な自己劇化(ルディア)”に向かうというのがこのサビアンシンボルの元型的な意味です。
サーカスを見物する村人たちの視点のみならず演者の側の目線がここには含まれています。どのように見せていくか,やり方をかんがえるというより,まずは見せてしまう,アピールするという欲求に満ちた状態であると言えます。
魚座18度のキーワード
キーワードとして“APPORTIONMENT(分配,配当,分担,割り当て)”が与えられています。見せてしまうとは言えど集団性が下地にありますので,個人的なスタンドプレーではなく自分のもちまわりをわきまえた複数人でのパフォーマンスのほうに適性があります。協調をかんがえながら自分を訴えましょう。
ポジティブな発現は「共通の目的の下に不一致の能力を組織化する天才」です。協調のためには共通の目的を掲げるのがよいでしょう。みんなでゴールをめざしましょう。ネガティブな発現は「壮大さの妄想およびおもしろくない大言壮語」です。目的を示すにしても大ボラではいけません。
満月では,乙女座18度(太陽)と魚座18度(月),2つのサビアンシンボルがオポジションでぶつかっています。
仕事に向かい合いしっかりと見通しを立てたいところですが,自己顕示欲も高まるときです。自分を見せたい欲求はとりわけSNSなどクローズドな環境で強く発揮され悪目立ちもしそうです。満月=新月にはじめたことの実りの収穫と捉え,自分にご褒美の感覚で承認欲求を満たしましょう。少人数でのパーティーなどもよいかも知れません。
アスペクト,ディスポジター,その他注目すべき点
満月のオポジションに対し天王星が調停のアスペクトをとっています。
前回の新月のときには「夢を描いて将来の達成を味見」というのがテーマでした。この満月は夢を再考してビジョンを修正していくのに適しています。ここまでをいったん総括して次につなげましょう。
ノーアスペクトの火星(2室双子)に冥王星(10室山羊)がセスキコードレート
自暴自棄な衝動が湧き立つ可能性があります。「もうどうでもいいや」と捨て鉢な行動に出るおそれも。短気は損気です。誕生日が6月2日前後の人はむしろその衝動をうまく別の方向に転換できるかも知れません。
金星と木星のクインカンクス,木星とバーテックスのオポジションがあります。
“悪目立ち”は手痛い損失を引き起こすおそれがあります。愛情面での損失もかんがえられます。社会的な立場を念頭に置くようにしてください。
金星・リリス・バーテックスで小三角です。
とは言え抗いがたい欲望に絡めとられてしまいがちな配置です。欲望の充足自体には調和的ですが,自分の果たすべき役割を意識してください。
MCに水星がスクエアです。
悪目立ち同様,舌禍・筆禍に要注意です。不用意な発言からの炎上がかんがえられますのでSNSの利用に気をつけてください。とりわけ仕事の愚痴などを書き込む,あるいは見栄を張って盛って見せるのは最もNGです。どうしても言いたい・書きたい・見せたいのなら公開設定を変更しましょう。
上弦に引き続き土星・天王星・セレスのTスクエアです。セレスが動いてよりタイトになっています。
9月4日ごろ,ダメ出しを受けて改革に着手した人は引き続き時間をかけて育てていきましょう。いくらか楽しんでやれるようになってきているかも知れませんが羽目を外さないように。
ノード軸をジュノーが調停しています。
パートナーのいる人には一定の幸せな時間が訪れることでしょう。しかしささやかすぎて気づかないかも知れません。親子関係も良好ですので,子に親に声をかけて小さな楽しみを見出してみてください。離れて暮らしているならばぜひ連絡を。
金星・火星を除いてすべて逆行です。
前回新月の際は木星以遠がすべて逆行でしたが,水星が加わりました。社会の動きが低迷を続けるなか,コミュニケーション不全やすれ違いが生じがちです。勘違いや行き違い,忘れものなどにもご注意を。
下弦の星読み|双子座の下弦図リーディング
双子座の下弦図(2022年9月18日6時52分:東京)
下弦(9月18日)から新月(9月26日)までのテーマ
生きた証を残したくなる時期。使命感を帯びつつも自分に優しく。
下弦では太陽(12室乙女座25度)に月(9室双子座25度)のスクエアが形成されます。
さらに海王星(6室魚座25度)を交えてのTスクエアになります。
乙女座25度のサビアンシンボル
公共の建物の前の半旗
A flag at half-mast in front of a public building.
キーノート:よく成し遂げられた仕事と満たされた運命との社会的な承認双子座25度のサビアンシンボル
大きな椰子の木を刈り込んでいる庭師
A gardener trimming large palm trees.
キーノート:拡大する自然の力の制御下でもたらされるもの魚座25度のサビアンシンボル
宗教団体が歪められた慣行と具体化された理念の不健全な影響を克服することに成功する
A religious organization succeeds in overcoming the corrupting influence of perverted practice and materialized ideals.
キーノート:私的な生活を調停し必要な浄化をもたらす魂の力
下弦の月(9月18日)を境に少し潮目が変わります。
自分の生きた証をしっかりと世界に残したいという気持ちが非常に強まってくるときですが,それと同時に,いままでやってきたことに対する評価や報酬に満足できないという気持ちも強まってきます。逆を言えば評価や報酬を犠牲にしてでもやりたいことをやって残したいという方向に気持ちが振れるときです。
太陽は12室乙女で水星と金星のほぼミッドポイント。太陽・月・海王星のTスクエア。太陽と冥王星のトライン,月と冥王星のクインカンクス。
評価も報酬も名誉もあるようなのに,それが具体的にかたちとなっては見えにくかったり,自分自身には届いている実感が得られないのかも知れません。自己肯定感を維持するためにもなにかを残したいという気持ちが強まるわけですが,そのビジョンが曖昧だったり,あるいは理想が高すぎるという見方もできます。また評価にしても毀誉褒貶入り交じり,どちらかと言えば低い評価のほうが目立ってしまうのかも知れません。
水星(12室天秤)と木星(6室牡羊)のオポジション。
低い評価ばかりではなく高い評価ももちろんあるわけで,それは今後にもつながっていくはずです。不平不満を言葉にするのは避けましょう。
金星(12室乙女)と火星(9室双子)のスクエア。
引き続き短気は損気です。経済的に不利益になるばかりか人々の不興を買うことになります。そしてそれが自分には見えてこないのが厄介です。
ベスタ(5室水瓶)とセレス(11室獅子)のオポジションを月が調停。ベスタは海王星に,セレスは太陽にそれぞれ30度です。
それでもやはり残したい,これはどうしてもやらなければならないという使命感が強いようです。自分を優しくいたわりつつ,また育てるようにして,爪痕を残すよう頑張ってみてください。
⇒ 満月のクリスタルメッセージを読む
次回、9月26日の新月リーディングは、新月時に公開します。
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執筆者 【すずきふみよし プロフィール】
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