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2024/11/02

よみがえりをもたらす冥王星からの贈り物

 

こんにちは。

第三の眼・代々木店のあさぎ真那です。

トランジット冥王星の水瓶座入りを控えて

今回も引き続き、トランジット冥王星の作用についてです。

 

ようやく秋らしくなってきましたかね。

秋といえば芸術の秋。

私は美術館に行くのが好きで、日本画の展覧会をよく観に行きます。

そんな私にとっての今年の大イベントは、

東京都美術館で開催されている田中一村展。

私のいちばん好きな画家です。

NHKが主催していることもあり、

このところ関連番組がたくさん放映されているので、

ご存じの方もいるかと思います。

 

 

一村は生前は無名の画家でした。

子どもの頃から画才があり、神童と言われていたほどで、

芸大の前身である東京美術学校に入りましたが、

学校への不満や父親の病気などで中退。

両親の死後は千葉に移って細々と生計を立てながら絵を描き続けます。

40代で各地のスケッチ旅行を始め、たどり着いたのが奄美大島。

その色彩豊かな風景に魅せられ、移住したときには50歳。

染色工として働きながら、数年働いてはお金を貯め、

それから数年は絵に専念するという生活をしていました。

東京美術学校で同級生だった東山魁夷は文化勲章を受けていますが、

一村は最後まで中央画壇では評価されず、69歳で亡くなっています。

東京で個展を開くという目標も達成できませんでした。

 

そんな一村が注目されるようになったのは、

死後、奄美で近しかった人たちが中心になって三回忌に公民館で展示会を催し、

地元の新聞が取材したことがきっかけでした。

そして、その名が全国的に広まったのは、

1984年にNHKの『日曜美術館』で取り上げられたことからです。

 

私が一村を知ったのは、その10年くらい後。

「日本のゴーギャン」とか「昭和の若冲」などと呼ばれてきましたが、

それでも「知る人ぞ知る」画家だったと思います。

 

それが今回の注目度の高さといったら。

テレビ番組だけではなく、伝記本などの関連本も新たに何冊も出版され、

まるで朝ドラ主人公のモデル並みです。

今では美術の教科書にも載っていることを最近観た番組で知りました。

 

1908年生まれなので生誕を祝うには中途半端だし、なんで?

と思っていたら、ふと気がついたのです。

一村の誕生日が蟹座の終わりであることに。

 

そう、一村の誕生日は7月22日。

前回のブログに書いた落語家の吉原馬雀さんと同じ。

つまり、現在トランジットの冥王星が出生図の太陽の真向いにあるということです。

最初に1984年に全国的に注目されたときには、

トランジット冥王星は太陽とスクエアでした。

画壇から葬り去られてしまった一村が、冥王星の力によって甦ったかのようです。

 

二十代の終わりでトランジット冥王星が出生図の太陽とコンジャンクションになったときには、

オーブ2度圏内に入ったときに、父親が亡くなっています。

すでに母親や弟2人は亡くなっていましたが、父親の死後、立て続けにもう一人の弟を亡くし、

祖母と姉と妹を食べさせていくという重圧がのしかかりました。

1938年には最後のコンジャンクションとともに、サターンリターンも迎えています。

一家で千葉に移住し、畑を耕して自然に親しむようになったのもこの頃。

生活は一変したものの、それが作風の変化につながったのかもしれません。

 

ちなみに、一村の出生図では、太陽と冥王星にメジャーアスペクトはありません。

この2つの天体がノーアスペクトだと相当な我の強さがうかがえますが、

それを思わせるエピソードはいくつもあります。

 

たとえば、7歳頃に色紙に描いた菊の絵があるのですが

(神童と呼ばれるのも納得するほどの絵)、一部がちぎられています。

これは、彫刻家だった父親が手を入れたのが面白くなくて、

その部分を自分で破ってしまったのだとか。

 

そして、のちに展覧会に絵を2点出展し、

1点は入選したものの、自信作だった方の絵が落選したことから、

主催者の川端龍子に「あなたの目は節穴か」と食ってかかり、入選を辞退するなど、

頑固さがうかがえます。

柔軟サインの天体が冥王星しかなく、柔軟性に欠けるであろうことも

それに拍車をかけたのではないかと考えられます。

 

でも、画壇に評価されずとも、自らの表現を追求し続ける執着心は

やはり太陽と冥王星のノーアスペクトのなせる業でしょう。

 

晩年に奄美で描き上げた「アダンの海辺」と「不喰芋と蘇鐵」は

一村曰く、「閻魔大王えの土産品」だそうです。

誰にも売ろうとしなかったとか。

もしかしたら、今回の冥王星での大ブレイクは

土産品に大満足した冥界の閻魔大王からの贈り物でしょうか…。

 

この写真の右はその2作品を基にしたチケットホルダー。

本物は全然違います。魂のこもった作品をぜひ観に行ってください。

目の前で見ると、どこか、この世のものではない感じも伝わってきます。

 

死後もホロスコープが機能しているというのはなんとも不思議です。

でも、この例からわかるのは、

冥王星ってやっぱり怖いばっかりじゃないってことです。

もちろん、一村が評価されたのは、運だけではなく、

生前に力を尽くしたからでしょう。

 

ギリシャ神話の冥界の王はハデスですが、

閻魔大王が天国行きか地獄行きか決めるように

冥王星の作用の仕方はその人の生き方次第で明暗がはっきり分かれるのかもしれません。

冥王星のコンタクトでは、どう生きるかを問われるとも考えられます。

あなたはそれにどう答えますか?

 

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