こんにちは。第三の眼代々木店の西洋占星術師、タロティストの藤井まほです。

最近増えたと感じるご相談

このところの星読みのご相談では、天空の冥王星の動きにまつわることかなと思えるお悩みが増えているのを感じます。
人生の転機を迎えている、転機なのにどうしても動けない、やりたいことがあるのに動き出せない、身辺の変化によってやりたいことができなくなってしまった、など。

「2023年を読む」というテーマで今年の冥王星の動きに触れたのは、なんと1年近く前のことでした。
その頃は、2023年3月に冥王星が水瓶座に入ります、というトピックで触れたのですが。
冥王星がらみとおぼしきご相談は、この夏以降顕著に増えました。
冥王星は、2023年から2024年にかけて、山羊座と水瓶座の境界を行ったり来たりします。そのことが影響しているのかもしれませんね。

ご依頼のタイミングが冥王星の動きやご自身の出生図との関わりがピタッとハマった場合もありますし、長いこと不調が続いていて「これはなんだか変だぞ？」ということでご相談に見える方もいらっしゃいます。
どちらかというと、後者のほうが多いでしょうか。
とりわけ水瓶座をはじめ「固定宮」星座に天体やアセンダントなどのある固定宮関係者さんの多くは、かなり辛抱強いんですよね。なので、ほかの人なら音を上げるところをぐっとこらえてしまうのかもしれません。

(固定宮とは牡牛、獅子、蠍、水瓶の4サインで、変化するより、ものごとを維持することに力を注ぎます)

冥王星ってどんな星？

冥王星は現代の占星術で扱うメイン10天体のうち、地球から最も遠い軌道を描く天体です。天文学では現在「惑星」ではないという扱いになりましたが、変わらず重要視する占星術師のほうが多いでしょう。

冥王星は死と再生、破壊と変容を象徴するとされます。
この天体が関わってくると、ものごとに白黒はっきりつけようとする機運が生まれ、徹底的にやれとプレッシャーを与え(日々の生活ではプレッシャーをかけてくる人物や状況として表れる場合も)、すべてを更地にして強制的に再起動を促すような動きが見られます。
天王星や海王星と同じように、この天体の動きと連動して人生が変わってしまうほどの転機を迎える方も少なくないでしょう。

占星術では、天体が二つの星座の境界をまたぐときに大きな変化があると見ます。
山羊座から水瓶座へ、そしてまた山羊座へ、と行きつ戻りつする冥王星によって、いうなればサスペンションの貧弱な乗り物で大きな段差を越えて行き来しているような状態になっています。
この2年ばかり、みんなが翻弄されてしまっても仕方ないところもあるんですね。

冥王星、2023年から2024年の動き

冥王星が水瓶座に入ったのは、2023年3月24日、春分直後のことでした。

その後、5月2日から逆行を始め、

6月11日からは山羊座を運行。

10月11日に再び順行に戻りました。

(1) 冥王星が水瓶座に滞在していた3月から6月頃につらかった、という方。

(2) 冥王星が山羊座に戻った6月からがつらいという方。

(3) 冥王星が逆行していた5月から10月にいろいろ勃発したという方。

など、「気になる/気になっていた時期」は、それぞれの出生図での星の配置にもよるかと思います。

星読みの仕事はそろそろ2024年を読む時期に入っていくので、2024年の冥王星の動きもざっくり書いておきますね。

■冥王星の水瓶座滞在は、2024年1月21日から9月2日まで
→特に(1)の方は、来年からが本格的な水瓶冥王星の時期となるため、今年の学びを生かす方向で。

■冥王星の山羊座滞在は、2024年9月2日から11月20日まで
→特に(2)の方は、この頃に山羊冥王星マターがリバイバルする可能性があります。かなり既視感があるかも。そして、冥王星は2024年11月20日以降、もう山羊座には戻らないので、これが山羊座冥王星マターからの「本当の卒業」「完全な変容」の最終ステージとみることができます。

■冥王星逆行は、2024年5月3日から10月12日まで
→5～10月と逆行期がほぼ今年となります。逆行は「やり直し、見直し、忘れ物を取りに戻る」ための時期。今年その季節にやり損ねたことにもう一回挑戦するチャンスと捉えられますね。
2024年の冥王星逆行がどの程度関わってくるかは、ご自身の出生図(生年月日や出生時刻などに基づくホロスコープ)とのかねあいによって変わってきます。

どんな変化が起こっているのでしょう？

山羊座冥王星の時代は2008年から。15年あまりかけて、冥王星は山羊座(組織・社会の基盤となるシステムや骨組み)を少しずつ更地に戻し、アップデートするように作用していました。
ご存じのように、それがうまくいった領域もありますし、いまだに壊れたままの状態で止まったところもあるでしょう。

天王星、海王星、冥王星は、太陽系の天体でありながら、「社会という境界の内部」を担当する土星よりも遠い軌道を描きます。
これらの天体は、広く、大きく、投網のように世界に影響を及ぼすため、個人の才能や努力で「起こることを避ける」ことは難しいと思われます。

たとえば、ある20代の女性は大学で航空会社のエンジニアをめざして勉強していたのですが、運悪く就活の年にコロナ禍が重なり、航空会社が新規採用をやめたんですね。そのため志望を変更せざるを得なくなりました。これなどは本人の力では避けたり変えたりしようのない事例の一つと言えます。

山羊座冥王星時代には変化が社会や組織のスキーム、いわば縦の構造に及んでいましたが、水瓶座冥王星時代には横のつながりに変化が求められるでしょう。
たとえば多国間のコミュニケーションや連帯、ベーシックな思想や価値観の共有、それに基づく国際機関のありようなどが根底から揺らぎ、アップデートを迫られるのではないでしょうか。

また、徹底した断捨離を求める山羊冥王星時代を経て、わたしたちの手元には最小限の必要なものだけが残ります。水瓶冥王星時代には、それをどのようによりよく生かすかということもテーマになっていくはずです。
地球環境や資源、食料、ジェンダー、生成型AIなどの技術、コロナによって再注目された医療や公衆衛生なども引き続き課題であり続けるでしょう。

じゃあ、どうしたらいいの？

そうした大枠の課題が、地球に暮らすわたしたち個人に影響を与えないわけはないのです。
でも、冥王星には手も足も出ないんでしょう？　水瓶座冥王星にはどう対処したらいいの？　と思いますよね(^^)

確かに国家間、地球規模のものごとを個人の力で変えることはできないのですが、一人の人の人生や家族のレベルで考えられるヒントをご参考までにいくつか挙げておきます。

・情報収集は大事だけれども、収集そのものが目的化しないように注意。

・一つの選択肢にこだわらず、視野を柔軟に広げる。

・これまで断捨離と同時に備蓄をした人は、持ち腐れにならないように適宜活用する。

・知らない、聞いたことがないようなアイデアもシャットアウトしない。

・行き詰まったときは身体の声も聞く。

そのほか、個人の出生図の配置によってはより具体的なご提案もできますので、気になる方はご相談くださいね。

占星術やタロットは身動きできないときの味方です。考えがぐるぐるしがち、引きこもりがちなご自分を外からつかみ直す視点や、次に向けて動き出すきっかけ、ヒントをご提供し、動き出すのに絶好のタイミングリストでもお手伝いできたらと願っています。

水瓶座は個人の幸せを超えてみんなの幸せを考える星座とされています。
自分だけでなく隣の誰かも、そしてその隣の誰かも幸せに……と考えるよう求められがちですが、まずはその前に自分自身が安心して自分でいられること、ハッピーに前を向いていられることが必要ですよね。
その辺りも是非、心のどこかに留め置いてください。

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