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2023/08/25

いまサナギの人に知ってほしいアートと星読み

こんにちは。第三の眼代々木店の西洋占星術師、タロティストの藤井まほです。
ブログの記事は久しぶりの投稿になります。身内のサポートに時間を取られたり、自分自身ちょっと固まっていたりして少し間があいてしまいました。

 

個人的なことですが、現在わたしは自分が蛹(サナギ)の状態と自覚しています、おそらく2年くらい前から。
占い師ってニュートラルで安定しているイメージがあるかもしれませんが、そうでもない面をソーシャルメディアなどで一部の占い師たちが見せられるようになった今日この頃。
等身大の占い師(?)と呼ばれるわたくし藤井まほも例に漏れず、折に触れていろいろと悩みを抱えます。

 

そんなとき、わたしは占い師なので占いに行くよりは違うジャンルのセラピーやセッションを受けたり、全然違うことを学んだりすることが多いんですね。占いだと、この人がこう話す根拠は何だろう?とか考えて、気が散ってしまいがちなので(汗

 

僕って何?とサナギは訊いた

 

ここ2年ほどわたしがハマっている悩みは「自分がよくわからない」ということです。西洋占星術を知っている方なら、1ハウスに土星があるという藤井まほの出生図の特徴をお話しすれば、なるほど!と納得なさるでしょう。
つまり自分がわからないのはある程度生まれつき?の傾向で、自分が何が好きかとか何を心地よいと思うかはわかるのだけれど、環境に応じて動いたり揺れたりするから自分が何かはわからない。

 

もちろん、土星が出生図の何ハウスにあったとしても、社会的動物である人間には誰しも多少なりとそういうところがありますよ! まほの場合はそれがちょっと極端だとお考えくださいね。

 

その「僕って何?」という疑問と、煮詰まってる「サナギ状態」はニワトリとタマゴ。どちらが原因でどちらが結果かはわからないのですが、この状態に入ると人間はちょっとしたぬかるみにスタックしてしまうようです。

 

自分と出会う言語化ワークショップが開催されたギャラリーで

 

そんなとき、「自分を言語化する」ワークショップ(WS)があると知って、いまの自分に必要なのはこれでは?と直感して参加を申し込みました。あまりに急いで申し込んだので、タイトルが “i said goodbye to me” (わたしはわたしにさよならを言った)だったことには申し込み確認メールが届いたあと気づきました(笑)。

 

え? 自分を発見するために言語化するWSなのに、自分とお別れするの???

 

まあでも、サナギから蝶になるときは一つのお別れなのかもねと自分に言い聞かせ、WS当日、会場となった代官山のギャラリー ART Is.TOKYO GALLERY に出かけていくと、タイ出身のアーティスト、ジュリ・ベイカー・アンド・サマーの嬉しくなってしまうようなポップな色合いのドローイングが迎えてくれました。
そしてこの個展のタイトルが “i said goodbye to me” だったのです。

 

今回の展示作品と文章が掲載されたジュリのzine(ジュリの肩書きはアーティスト、作家、そして旅人)。

 

「言語化」によって自分と出会うって?

 

セルフケアとしての占いがテーマの過去ブログ記事では、生きるために「物語」を利用するということを書きました。占いは、言語化という手段を使って自分に出会う方法とも言えますね。

 

過去記事→
◎今の自分を生かす、より大きな物語を見つける占い
◎星にまつわる神話を知って、腑に落ちた話

 

でも自分一人で言語化するのは難しい。だから、星やタロットカードというツールを使ったり、占い師というミディアム(媒介者)の力を借りたりするのでしょう。

 

今回のWSは、ファシリテーター力石亜衣梨さんの素晴らしいお力添えを得て、星もカードも使わずミディアムもいないところで、自分の中からことばを掘り出していくプロセス
「あなたの好きなことは何ですか?」というわたしにとってはごくごく簡単なところを出発点として(何しろライターとして好きなものや面白いと思ったことについてずっと書いてましたから)、最後に自分宛のメッセージを「言語化する」までの間に、不思議なことに自分からぽろぽろと剥がれ落ちていく部品??がありました。

 

よく古くて自分に合わなくなったものを捨てると言いますが、驚くべきことにその部品の中にはつい最近知って「おっいいな!」と感心した考え方なんかも含まれていました。
なんてことでしょう。人間ってついつい、自分に合わないものでも「おっいいな!」と拾い上げちゃったりするものなんですね。でも、それも今の自分には要らないと、たった2時間のWSを通してわかってしまった……

 

これが、i said goodbye to me ということなの?
自分に必要なものって、実はそんなにたくさんないんじゃない?

 

蝶のお導きでしょうか

 

最後の課題であるメッセージを書き終えてふと見上げると、正面にはジュリの描いた二頭の蝶のドローイングがあって、そこに i can be both fragile and strong という一文が書き込まれていました。「わたしは脆くも、強くもなれる」……もろさを抱えたまま強くもなれるというのは素敵なアファメーションですよね。

 

それまでは自分の一部だと思っていた部品にさよならすると、もっと奥にあった自分に出会えます。ジュリのzineの最後のページもHelloで終わっている。
ジュリの展示とWSのテーマがカッチリはまって、見事なハーモニーを奏でているではないですか♥

 

i can both be fragile and strong の文字と蝶のドローイング

 

サナギを経て蝶になる。蝶はサナギ時代を忘れちゃうのではなく、サナギの殻に守られていたぐちゃぐちゃの混沌というもろさを内なる自分として抱えたまま、翅を広げて飛んでいく……。

 

WSが終わる頃になってようやく、この個展が青虫から蝶になる過程を描き、ジュリと彼女の分身である蝶の対話(テキスト)がベースとなったアイデンティティをめぐる物語なのだと知りました(気づくのが遅いですね)。
アイデンティティっていかにも1ハウスっぽいテーマです(^^)

 

WSの内容について書きたいことはもっともっとあるのですが、今日はさわりだけ、続きはまた機会があればお話ししますね。

 

サナギから蝶という変容、占い師としてはどう考えるか

 

星読みでは、変容を司るのはトランスサタニアンの3天体(天王星、海王星、冥王星)とされます。でもサナギには殻がある。それが土星です。
天王星は分離や別離。海王星は混沌。冥王星は破壊と再生。ちょっと単純化しすぎていますがこんなイメージです。

 

土星という殻のなかをのぞいてみるまでわからないのですが、サナギの中はそれまでの青虫が液状化したような状態になっています。つまりモヤモヤした海王星っぽい状態。(そこを経て、もとの青虫とは形態のまったく違う蝶になっていくわけです)
殻に守られた混沌を、天王星と冥王星が壊して新しく再生していく、というのが星読みでいう変容のプロセスの一つです。

 

占ってほしいとおっしゃるお客様には、ご自分のサナギ状態に気づいてご依頼くださる方も多いです。

 

もやもやしてる。このままの自分でいいの? 進みたいけどどっちの道がいいの? 自分らしい生き方って何?

 

サナギが蝶になるためには、まず一つ殻を破らなければならないんですね。でも、もやもやしているととても悩んでしまう、迷ってしまう。
必ずしもいますぐ殻を破る必要はなく、それよりも大切なのは「いまの自分に必要なものは何か」ということかもしれません。そんなテーマが浮上したとき、星読みは生まれつきの傾向や運勢と、人生の中での「現在地」を知るのに役立ちます

 

たとえば、この先しばらくは、天空の冥王星(破壊と再生の星)が山羊座と水瓶座の境目を行ったり来たりすることが続きます。
「わたし山羊座なんですけど」「水瓶座生まれなんですけど」と冥王星の影響が気になる方もあるでしょう。
でも、同じ○○座生まれでも現在海王星の影響をより強く受けている人もいれば、土星がサポートしてくれている人もいます。天王星がブレイクスルーをもたらしている人もいるでしょう。それは一人一人に固有の出生図との兼ね合いでわかることなのです。

 

出生図を見ると、「自分ではよくわからない自分の傾向」と「トリセツ」を知ることができます。出生図に基づく進行図という何種類かのホロスコープと、今の天体の配置と重ね合わせることで、あなたの「現在地」と、今のこの状態がいつまで続くのかといった期間やタイミングもわかります。

 

土星やトランスサタニアン3天体の滞在している星座だけでなく、ご自身の出生図との関係性も気になる方は、ぜひ星読みのメニューをご用命くださいね。

 

タロットではどうかというと……

 

ついでに、タロットだとどんな風に表現できるかなと考えてみました。
ワンド4逆→カップ8→19太陽 こんな感じでしょうか?

 

 

ワンド4逆:そろそろ居心地のよい場所、コンフォートゾーンから出ていくとき

カップ8:淋しいけれど、愛着のあったものを背後に置いて

太陽:明るいところに出て羽ばたこう

 

で、またまた蝶が出てきました。わたしの愛用しているキティ・カハネのタロットで、大アルカナの太陽は蝶の絵なのです。不思議なことに!
(こちらのカードは代々木店に毎回持参しています、ご興味ある方は是非)

 

せっかく話が蝶に戻ったので、最後にジュリのzineからフレーズを引用して終わりにしたいと思います。
同年代の人たちがしっかりと人生の目標を持っているのに、自分はそうではないというアイデンティティの悩みを抱えるジュリを、分身の蝶が慰めているところ。

 

チョウチョ:あなたの目の前にある花で、どれがいちばんきれいだと思う?

ジュリ:ハイビスカスはきれい、菊はきれい、コスモスはきれい、ヒナギクもきれい、蓮もきれい。どれがいちばんきれいかなんて答えられっこないわ

チョウチョ:なのに、どうしてまだ自分の人生をほかの人のと比べたがるの?

 

ジュリの作品は温かく、ハッピーで、見ている、読んでいるだけで元気になってきます。エンパワメントというとなんだか押しつけがましいイメージもあるけれど、彼女の作品は平易なことばと鮮やかな色彩とのコンビネーションによって、すっと心にしみこんでくるのがいいんですよね。

 

彼女の絵や文章に惹かれたり興味を持たれた方は、会期残り2日となった代官山のART Is.TOKYO GALLERY での展示に是非いらしてください(27日まで)。生のアート、とりわけ彼女の作品にじかに接すると気持ちが明るくなりますよ(^^)
zineもまだ手に入るのではないかと思いますが、お早めにどうぞ。

 

■ジュリ・ベイカー&サマー「i said goodbye to me」展

開催日 7/21(金)~8/27(日)の金・土・日のみ開催 11:00~18:00

会場 ART Is.TOKYO GALLERY (渋谷区代官山3-13-103)

 


 

藤井まほ、8月と9月前半の鑑定スケジュール

 

ご予約可能な日は次の通りです。

8/30(水), 9/6(水), 9/13(水), 9/20(水)

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ご希望日の1週間前までに下記フォームよりお問い合わせくださいませ。

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