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2023/04/30
占いと哲学
こんにちは。第三の眼(大阪&オンライン)で心理占星術セッションをしているKyokoです。
今月のブログテーマは『哲学の利用について』ですね。
この世がどう成り立っているかを考える『形而上学』は哲学の一分野ですが
形而上学が占いの解釈や体系のベースになっています。
ですので、占いと哲学は一体化しているともいえます。
占い体系には、その占いが生まれ育ってきた土壌に根付いた哲学が息づいています。
そこに、その占いを扱う人の哲学がブレンドされて、解釈や活用法は千差万別になっていくんですね。
なので、同じホロスコープを見ても、どう解釈するか、どう活用するかは…..
実は占い師によって、かなり違うと思ってください。
その千差万別が生まれる背景に哲学の違いがあるのですね。
トート版とウエイト版、この違いは大きい
タロットカードも同様です。
同じ魔術師系のタロットカードでも
『トート版』と『ウェイトスミス版』では絵柄もエネルギーも全然違います。
それをデザインした魔術師やイラストレーターの哲学の違いが
カードの設計や絵柄にあらわれているからです。
- 『ウエイトスミス版』の世界観は「人生は旅」
- 『トート版』の世界観は「人生は創造するもの」
この世界観の違いが全体の設計や1枚1枚のデザインに反映されていると
トート版タロットの師匠、松田仁先生から教えていただきました。
そんな世界観の違いは全く知らなかったとしても
人は自分の価値観や世界観と近いカードを無意識に選んでいるものですし。
哲学的背景を全く知らずに使っていても
カードの使い手は知らず知らずのうちに、カードの世界観に影響されているものです。
タロットの設計自体に独自哲学があり
それを扱う占い師の哲学がブレンドされて
タロットカードの解釈や活用法が千差万別になっていきます。
占いは新たな世界観で自らを俯瞰し生まれ変わる営み
占い師に占われる、コンサルテーションやセッションを受けるということは
『ツールに備え付けられた哲学+占い手の哲学』のブレンドと出会うことであり
『新たな世界観で自らを俯瞰することで生まれ変わる時間』と言えるかもしれません(Kyoko説)。
西洋占星術はタロットと違ってホロスコープのデザインの違いはないから
誰が占っても同じ結果じゃないの? と思うかもしれませんが…..
それは門外漢だから思うこと。
同じホロスコープを見ても
『抗えない運命をお告げする』ために見るか『潜在的可能性を引き出す』ために見るかで
解釈や活用法は変わってきますよね。(私は後者です)
天体を吉天体、凶天体という二元論的視点で見るのか、そうではないのか。
ハードアスペクトを『凶座相』と捉えるか『成長へとつながる刺激』と捉えるのか。
土星までの肉眼で見える天体のみを扱うのか、天王星以遠の天体も扱うのか。
これによっても分析結果は大きく異なります。(私はいずれも後者です)
占い師は自らの哲学や世界観をわかりやすく伝えるべき
占い師は自分の哲学を、もっとわかりやすく伝える努力をすべきかもしれません。
そうすると、占い師とクライアントのミスマッチを、かなり防げます。
たとえば…
占い師が「未来は決まっていません。自分の人生は自分で創っていけるものですよ」
という哲学をもってセッションを行っているとして
お客様が「私の運命を教えてください。やっぱり結婚運が悪いから仕事に生きたほうがよいのでしょうか?」
という運命決定論をお持ちであるとしたら話がかみ合わなくなってしまいます。
お客様「私の決まっている運命を知りたかったのに….」
占い師「このようにしたら、今の状態を変えていけるのに…」
お客様は求めている情報が得られず、占い師は一生懸命伝えようとしたことが伝わらない。
このようなチグハグな状態になってしまいますよね。
ただ、占い師自身さえ「自らの世界観や哲学」に無自覚なことも多いかもしれませんので
言語化が難しいところはありますね。
自分にとって「当たり前」と思っているからこその哲学や世界観ですから。
哲学者は考えていることを言語化するプロなわけで。
哲学書を読んだり、様々な形而上学にふれたり
『〇〇道』を学んだり、名言に心動かされたりすることは
自分の哲学を語る言葉を生み出したり、表現を生み出す土壌となるかもしれません。
自分の哲学が生まれるとき… 8ハウスから9ハウス or 蠍座から射手座
形而上学をどんどん突き詰めていくと
宗教に近づいていって、それに帰依しなければ、それ以上奥に進めなくなるのですが
そこで踏みとどまる、あるいは、離脱するときに
自分の哲学が明確になるので、それもまた面白いです。
そこには所属しきれなかった悲しみとともに清々しさと自由がある。
占星術的にいえば、8ハウスと9ハウス、蠍座と射手座の境目みたいな感じです。
どんどん傾倒して深みはまっていったにも関わらず。
ある時、一体化できないとわかったとき、自分の哲学がはじまるんですね。
借りものの哲学から、自前の哲学へとジャンプアップする。
なので『哲学書は過去の哲学の批判からはじまる』
とNobukoさんのブログで読んだとき「なるほど!」と思ったのです。
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